まず、断っておかなければいけないことがある。

僕たちがマンドリン・アンサンブルUxajklubismoの前身『Y-club』を立ち上げたのは西暦2000年のことだ。

そして実際に僕たちがUxajklubismoとして舞台に立つまでには実に6年の歳月が経ってしまった。




もちろん、それにはそれなりの理由があり、それは仕方のないことだったと思う。

それに僕はこの6年間という歳月は僕たちが新たなマンドリン・アンサンブルとして舞台に立つために必要な糧になっていたようにも思う。





2000年3月。僕たちは姫路という瀬戸内海に面する片田舎から遠い異国スペインに向かっていた。

目的は演奏旅行だ。

当時、僕たちは姫路西高校ギターマンドリン部に所属していた。

飛行機の中で僕たちはある計画を思いついた。それはロシアか中東の上空を飛んでいる頃だったろうか。

その計画中で『Y-club』は会長を中心としたメンバーでトレピックプレリュード(藤掛廣幸作曲)を弾くことが提案された。




僕たちが高校在学中にトレピックプレリュードを弾くことは叶わないことは既に分かっていたことだった。

なぜなら僕たちが入学する二年前に先輩達が既に演奏していたからだ。



だが、当時その計画はあまりにも無謀すぎた。



自力で演奏会を開こうとするには僕たちはまだ若すぎた。




そして気がつけば6年という年月が過ぎていった。






6年の月日の流れは確実に僕たちを成長させたと思う。


会長はプロマンドリニストに師事し、着々と実力をつけた。
他のメンバーも高校、大学在学中にマンドリン音楽と深く関わり音楽に対する知識と技術を涵養していった。

確かにこの団体には指揮者経験者、トップ経験者、部長経験者など豊富な人材が揃っている。






そして今、機は熟した。






僕はそう思う。

今こそ僕たちはUxajklubismo独自の視点でマンドリン音楽に新しい風を吹き込む必要があると考えている。



そもそも、マンドリン音楽というジャンルは、まだ100年ほどの歴史しか持たず比較的新しい分野である。


しかもマンドリン界で演奏される曲目はイタリアオペラの流れを汲んだロマン主義の濃いものが多く、
いわゆるクラッシック音楽が歩んできた歴史とは大きく異なる。


また、室内楽曲のレパートリーはそれほど知られていない。



そういう意味からもこの分野にはまだ開拓されるべき余地が多く残っている。



従来の枠に縛られず自由に活動を行っていくというのがUxajklubismoの理念である。
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